5:35起床、うす曇り。
朝焼け、風も湿っている。
昨日は下掲の映画を観る。
「モレク神」はヒトラー、「太陽」は昭和天皇の私生活を創作も交えて映像化したものだ。
戦争末期の焦土の中、これらの映画に取り上げられた世界は静寂のうちにあった。
現実との乖離の中、最高権力者の行動様式が興味深く描かれていた。
戦争は不条理の極致。
人間は神ではない。
人間は神になれない。
特集上映
ロシアの奇才 ソクーロフ監督が描く権力者たち
9/25[木] 10:45~ 「モレク神」13:30~ 「太陽」
ロシアの奇才ソクーロフ監督が、歴史上の人物に取り組んだ3作品を一挙上映。
いずれも権力の頂点に君臨する人物を、一人の人間としてとらえていることが興味深い。光や色彩を細やかに映し出した映像は、美しい絵画を思わせる。独特の映像世界をご堪能ください。
「モレク神」
(1999/露=独=日=伊=仏/1h48)
- こんなヒトラー見たことない -
1942年の春、腹心ゲッペルスらを伴い愛人エヴァのいる山荘にやってきたヒトラー総統だが、エヴァとふたりきりになると駄々をこね始める…。衣装や劇中料理に至るまでを忠実に再現し、美しく歪んだ映像と絵画を思わせる色彩の中で、一人の男としてのヒトラーを描く。(権力者を描いた第1作目)
1999年カンヌ国際映画祭脚本賞
「太陽」
(2005/露=伊=仏=瑞西/1h55)
- 日本人も知らない昭和天皇の姿がここに… -
太平洋戦争最末期に地下の防空壕で朝食をとるシーンに始まり、終戦後に人間宣言をするまでの昭和天皇を描いた話題作。連合軍総司令官マッカーサーとの会見をはじめ、公にされていない史実を描くシーンなど監督の芸術的創作も多いが、日本人でも知らない天皇の意外な側面も紹介されていて興味深い。昭和天皇の身振りをそっくり真似たイッセー尾形の演技、天皇を主人公に人間的視点で描いたことなどが話題となった。(権力者を描いた第3作目)
2005年サンクトペテルブルグ国際映画祭グランプリ