5:20起床、晴れ。
最近深沢七郎の「人間滅亡の唄」を古本屋で見つけて
40余年ぶりに読んでいる。
深沢は自分のフィルターを通して聞き分けたことを書いている。
自分のフィルターと人のフィルターはちがうため、行き違いや勘違いが生ずる。
それが当たり前なんだと言うことが行間に現れていて深沢の書き物はおもしろい。
人間滅亡の唄というけれど庶民に対する暖かいまなざしがある。
自分はどうしようもないと悩んでいる人をやさしく支える。
音楽は音を楽しむもので、思想とか感情とか空想をのせようとするのは邪道だ
というのは将にそのとおりだ。
運命はダダダダーンと戸を叩かない。
人間滅亡の唄(新潮文庫p92)
「・・・クラシックの音楽は音をたのしむのではなく音楽に思想だとか、感情だとか、
空想だとかをのせようとしたもので音楽とはちがった道だと思う。
音楽は音の高低やメロディーなどが目的ではなく、また歌とは別なものだと思う。
音楽はリズムで表わすより外に方法はないはずである。
クラシック音楽は教養だとか、学問的だとかと、音楽とはちがうむずかしい
ものにしてしまったのである。・・・」