クリスマスローズは春先に花を咲かす
花は株の中央に位置しながら頭を垂れて清楚なたたずまいである
桜の咲く頃になると黄緑色の若葉が芽吹く
若葉は見る見る成長し、株の中央を占め、花は四方に倒れこむ
花は薄緑色に色づきやがて地面すれすれに身を横たえる
花芯にはいつの間にか種の苞が膨らんでいる
横たわる花をそっと上げてみると、花を育て上げた老いた葉が深緑色に固くちじみ若葉の下で泥にまみれている
やがて花からこぼれた種が芽吹く頃老いた葉は土へと帰っていくのだ
先日、老母の住む実家から、こぼれ種から芽を出したクリスマスローズの苗を持ち帰り我が家に植えた
翌日かなり萎れているのだろうと植えた苗30本ほどを見て回った
驚いたことにそのすべてが生き生きとし、本葉は絹糸のようにか細い茎をシャンと伸ばし立っていた
クリスマスローズは人のあり方を教えてくれる